2018年夏季会員交流会 谷川九段と杉本七段が将棋界の未来を語る 藤井七段もビデオで参加

 2018年夏季会員交流会は、将棋の谷川浩司九段(永世名人)と杉本昌隆七段をゲストに迎えて727日、大阪工業大学梅田キャンパス(大阪市北区茶屋町)を会場に開催した。交流会第一部では、谷川九段と杉本七段が「将棋界のこれから」をテーマに対談、杉本七段の弟子の藤井聡太七段もビデオで論議に加わった。コーディネートは毎日放送の古川圭子アナウンサーが務めた。第二部の懇親会にも谷川、杉本両棋士が参加、交流会に出席した会員、招待者ら約100人と夜遅くまで歓談した。
 開会にあたって、関西プレスクラブの藤井龍也理事長(朝日新聞社常務取締役大阪本社代表)が「今年は関西プレスクラブが設立されて25年目となる。また、11月には関西への万博誘致に結論が出され、来年にはG2020か国・地域首脳会議)が開催される。そうした大きな節目に、しっかりと使命を果たしプレスクラブの存在価値を高めたい」と挨拶を行った。

藤井龍也理事長

 第一部の対談は34階のホールで開かれ、まず、谷川九段、杉本七段、藤井七段の「運命的出会い」から語られた。201110月に名古屋で、谷川九段が複数を相手にする「多面指し」で、当時まだ小学校2年生だった藤井少年を指導した際、飛車角落ちの谷川九段が勝ちそうなので、頑張っている藤井少年に「引き分けにしようか」と声をかけた。ところが、悔しさから突然に大泣き。なぐさめようとしたのが居合わせた杉本七段だった。
 その後、藤井少年は小学4年で杉本七段に入門、中学生棋士として登場し、「あの時の子か」と谷川九段は鮮明に思い出したという。その藤井七段への指導方法について杉本七段は、「普通の少年とは違った才能があり、常識的なことを教えるのではなく、やりたいことを伸び伸びとさせた」と振り返った。

谷川九段

杉本七段

古川圭子アナウンサー

 現在の将棋界について谷川九段は「8つのタイトルを8人の違う棋士が分け合い、第一人者がいない時代。そこから誰が複数のタイトルを取るかを注目している」と述べた。また、杉本七段は「20から30歳代の若手棋士たちは、一回り下の世代の藤井七段に危機感を持っている。彼にとってもタイトルをとることは、決して簡単ではないだろう」とした。             
 藤井七段はステージのスクリーンに映し出されたビデオで登場し「将棋の魅力や面白さを多くの人に知ってもらえるような存在になりたい」と述べるとともに、「タイトルを目指したい思いは強くある」と決意を語った。
 また、棋士の新たなライバルとなった人工知能(AI)について谷川九段は「とくに序盤戦術で新しい発想が出にくかったところへ登場し、将棋界全体に伸び伸びと自由に指していいのだ―との空気が広がっている」と、好影響も与えているとの認識を示した。
 第二部の交流会は21階のレストランで開会。会員のほか、在関西の各国総領事館関係者ら招待者が参加した。将棋ファンも多く、谷川九段と杉本七段のテーブルを取り囲むように、懇談が続いた。