「アートを楽しむプラットフォーマーに」 菅谷・大阪中之島美術館館長がポスト・コロナの美術館像を示す


定例会の模様をYouTubeにアップしました。

第276回 2021年3月26日
大阪中之島美術館初代館長
菅谷すがや 富夫とみお
「大阪中之島美術館、開館へ~新たな美術館像を求めた30年」   

 関西プレスクラブは3月26日、大阪市のAP大阪淀屋橋で定例会を開き、2022年2月2日に開館する大阪中之島美術館の初代館長、菅谷富夫氏が「大阪中之島美術館、開館へー新たな美術館像を求めた30年」をテーマに講演した。
 1992年に建設準備室の学芸員として着任以来、計画に携わってきた菅谷館長は「美術館は時代によって求められる姿が違う」と指摘。150億円をかけて作品を収集したバブル期から、財政悪化により規模を縮小し市民との共同運営を打ち出した平松市政期、白紙での見直しを求められ運営にPFI手法を導入する契機となった橋下市政期への計画の変遷を振り返った。
 多くの来場者を集めることで成立していた美術館のビジネスモデルは、コロナ禍で変化を求められている。菅谷館長はポスト・コロナの美術館の姿として、作品や美術運動が成立した時の様々な周辺資料を公開するアーカイブ機能と、アートを楽しむための基盤となるプラットフォーマーの役割を重視する考えを示した。また「ネット配信やVR(仮想現実)、デジタル映像作品などへの対応が必要になるが、実際に中之島美術館で見るという個人的体験も非常に重要」と述べ、リアルとデジタルの両面で新しい美術館像を求め続けることを課題に掲げた。(宮内 禎一)

左右のスクリーンに投影された大阪中之島美術館の外観