事務局発44号

今回の会報で紹介をしましたが、関西プレスクラブは参院選公示前の政治討論会に、新たに有権者に加わった高校生、大学生に参加していただきました。このうち、京都市立堀川高校3年の松井春樹さんは、先輩の京都大学1年の桐畑昴さんや同級生十数人と、討論会での質問内容を詰めるため、2日間にわたって議論を重ねたといいます。松井さんは「政治とカネ」の問題について迫り、桐畑さんは、普天間基地移設をめぐる沖縄と政府との果てしのない対立を与党幹部にただしました。
 また、神戸大学1年の杉村昴紀さんは、9政党すべてのマニュフェストをくまなく読み込み、予習を重ねました。ネットで検索した情報をプリントアウトした紙は、節約のため何度も再利用したため、真っ黒になったそうです。昭和の時代の苦学生のようですね。杉村さんは、将来世代への負担先送りへの不安や若者のための政策の強化を、うったえました。みなさん、政治課題と真剣に向き合い、疑問を率直に政党幹部たちにぶつけました。
 われわれ大人たちは、これほどに真剣に考え、一票を投じたでしょうか。貴重な一票を受ける政治家たちも、こうした若者の意見に本当に向き合ったでしょうか。公選法では、候補者自らの意志であれば、学校内でも演説会など選挙運動を行えるそうです。今回そうしたことを行った候補者をあまり知りません。若者たちの思いが、すれ違いのように終わってしまったようです。
 総務省が発表した今参院選の18歳、19歳の投票率は45.45%と、全体の投票率54.70%より低いものでした。ただ、詳しく見ると、18歳は51.17%と、19歳の39.66%を11㌽以上上回りました。「主権者教育」に熱心な各高校の先生方の努力にもよりますが、生徒の皆さん自らが政治について勉強を深めた結果です。また、高校3年の先輩たちの姿に刺激され、後に続く17歳の2年生たちが、より政治への関心を高めている、と学校関係者から聞きました。
 当選した与野党の政治家たちよりも、新しい有権者のみなさんに日本の将来への期待が見えた国政選挙でした。
(田中 伸明)