ダンバー博士(国際花と緑の博覧会記念協会提供)
コスモス賞を受賞したダンバー博士(中央)
1990年に大阪・鶴見緑地で開催された国際花と緑の博覧会(花の万博)を記念し、自然と人間との共生をテーマにした優れた研究活動を顕彰する「2026年(第33回)コスモス国際賞」の授賞式が10月26日、大阪市中央区の住友生命いずみホールで開かれた。今年度の受賞者には、英オックスフォード大学名誉教授のロビン・イアン・マクドナルド・ダンバー博士(79)が選ばれた。
ダンバー博士は、人類学、進化心理学、霊長類学などを横断する学際的研究を通じ、人間の社会性の起源と進化の解明に大きく貢献してきた。霊長類の脳の大きさと社会集団規模の関係に着目した「社会脳仮説」を体系化するとともに、人間が安定して維持できる社会的関係の上限を約150人とする「ダンバー数」を提唱。他者との関係性や自然との関わりに新たな視点をもたらした包括的な研究業績が高く評価された。
授賞式であいさつしたダンバー博士は、幼少期をオーストラリアやタンザニアで過ごし、英語とスワヒリ語のバイリンガルとして自然を身近に感じながら観察力を養った経験を振り返った。また、高校時代は歴史や英文学を学び、大学では哲学を専攻するなど、当初は研究者とは異なる道を歩んでいたことを紹介。その後も、多様な文化に触れる中で関心が生態学や霊長類学へと向かっていった自身の歩みを語った。
コスモス国際賞を運営する公益財団法人国際花と緑の博覧会記念協会(花博記念協会)は、花の万博の理念を継承するため、1991年11月に設立された。コスモス国際賞の運営をはじめ、自然環境保全や環境教育、国際交流、花の万博関連資料の保存・継承などに取り組んでいる。会長は御手洗冨士夫・日本経済団体連合会名誉会長、理事長は栗田卓也・元国土交通事務次官。