大阪府大と市大統合 新大学の目標を語る

第268回 2019年10月18日
公立大学法人大阪 理事長
西澤 良記にしざわ よしき 氏
「公立大学法人大阪の設立と今後の新大学実現に向けて」

 大阪府立大と大阪市立大を運営する公立大学法人大阪の西澤良記・理事長が10月18日開催した定例昼食会で講演し、「世界に展開する高度研究型大学を目指す」と新大学の姿を語った。
 両大学は2022年度の統合を目指し、今年4月にまず運営法人を統合した公立大学法人大阪が設立され、大阪市立大の理事長だった西澤氏が初代理事長に就任した。
 西澤氏は講演で、大学統合の理由について「少子高齢化が進む中で大学間の競争はさらに激しくなり、スケールメリットは大きなパワーとなる」と説明した。また、大阪城に隣接する森之宮地区に新設を予定しているメインキャンパスは「まちの中にあることで大学の役割が広がり、大阪の活性化に寄与できる」と述べた。
 さらに、「両大学の統合が必要だということは、大阪都構想に関係なく主張してきたことだ」とし、コスト削減にとどまらない、文化学術への貢献、社会への還元などの相乗効果を強調した。
 新大学の名称については、「早く決めたいが、新大学設立の議会決定は来年2月になった」とし、選定方法について「公募のうえで、(候補名の中から)有識者会議で選んでもらうことも考えられる」との一案を示した。


ゲスト略歴(講演時)=1945年奈良県生まれ。70年大阪市立大学医学部卒。同大大学院医学研究科内科系専攻内科学を75年に修了。その後、米国カリフォルニア州立大学ロサンジェルス校医学部内分泌部に留学。79年大阪市立大学医学部助手、99年第二内科教授、2000年医学研究科代謝内分泌病態内科学および腎臓病態学教授。糖尿病、肥満を主分野とし脂質代謝障害の研究を推進。この研究をもとに透析患者の血管障害にも取り組む。06年に日本透析医学会理事長、07年に日本透析医学会学術集会を大阪国際会議場を主に24会場で開催し2万人以上の会員の参加をえた。02年大阪市立大医学部付属病院副院長、06年に医学研究科長、医学部長、10年に学長、理事長に就任した。11年に橋下市政となり、一気に府大・市大の統合が加速。学長在任中はガバナンス改革に軸足をおき、「新大学案(2013年10月)」の作成、さらに「新・公立大学 大阪モデル(基本構想)(15年2月)」を大阪府立大の奥野武俊学長(当時)とともに公表した。19年4月に公立大学法人大阪の理事長に就任、8月27日の副首都推進本部会議で「新大学基本構想」を示した。
学生時代はオーケストラ部に属していたが、最近はもっぱらクラッシック音楽やジャズ、ラテン音楽の鑑賞を楽しんでいる。
大阪市立大学名誉教授、米国トーマスジェファーソン大学客員教授、厚生労働省医薬食品局審査課委員、独立行政法人医薬品医療機器総合機構新薬審査専門委員、大阪科学賞選考委員会委員長などを歴任。