けいはんな学研都市へプレスツアー

 関西プレスクラブは1210日、けいはんな学研都市(関西文化学術研究都市)へのプレスツアーを行い、会員ら約30人が参加した。  
 けいはんな学研都市は京都、大阪、奈良の3府県にまたがる丘陵地に、1987年から建設が始まった。ブドウの房のように12の地区(クラスター)に分かれた研究地区や住宅地も併せて整備されているのが特徴で、30年あまりが経った現在では、官民の百数十の研究施設が立地し、研究員・職員は約9000人に上り、約10万人の住民がこの「サイエンスシティ」で生活をおくっている。

学研都市の研究施設。手前はパナソニックテクノロジーイノベーション本部


 
プレスツアーでは、学研都市の中心部のけいはんなプラザの展望室で、国立国会図書館関西館、国際高等研究所、サントリーワールドリサーチセンター、パナソニックテクノロジーイノベーション本部など代表的施設を俯瞰し、学研都市推進機構の中川雅永・事務局長から、それぞれの研究・事業の内容や都市全体の整備状況を聞いた。
 
この後、アンドロイド、脳科学の最新の研究を行っている国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、ロボット開発の新拠点・けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)、地球温暖化の原因の二酸化炭素を地中に封じ込める技術などを研究している地球環境産業技術研究機構(RITE)を訪ね、研究施設のトップや研究者から説明を受けた。

ATRで研究員から、開発中の歩行補助技術について説明を受ける参加者たち


 
学研都市を見学するのは、まちびらき以来という参加者は、「空地ばかりだと思っていたが、分譲する土地はもうほとんど残っていないと聞き、発展ぶりに驚いた」と話していた。
 
けいはんな学研都市では新プロジェクトとして、2025年大阪・関西万博の会場まで鉄道・地下鉄で約1時間で直結する地の利も生かし、万博との連携を官民の研究施設を横断して検討していくという。

地球環境産業技術研究機構では、二酸化炭素を地中に封じ込める技術などの説明を受けた。