「未来を信ずる」──辻一郎さんを偲んで

2025年9月2日、92歳で逝去された毎日放送元役員でジャーナリストの辻一郎さんのお別れの会が、12月10日、大阪・茶屋町のMBS毎日放送本社で営まれた。遺影の奥のスクリーンには、辻さんの座右の銘である「未来を信ずる」の言葉が掲げられていた。

辻さんには、2025年2月10日に当クラブが主催した設立30周年記念講演会「伝説の記者」にご登壇いただき、「民放の黎明期から生きて・山番組・植村直己」をテーマに、登山の魅力を熱く語っていただいた。

その後、9月発行の当クラブ会報第62号の編集作業のため、8月初旬にメールでやり取りをした際には、「体調をこわして寝ています。再送いただいた原稿も今やっと拝読しました」と記しながら、講演録の追加・訂正を丁寧に送ってくださった。8月12日の返信メールには、講演録の確認について「一件は落着したと考えていいですね」との言葉が添えられていた。

今振り返ると、生死の境をさまようような状況の中で、講演録に目を通してくださったのだと思うと、万感の思いが込み上げてくる。心よりご冥福をお祈りします。合掌

(内野 広信)