神戸港開港150年プレスツアー 玉岡かおるさんとクルージング

今年1月の神戸港開港150周年を前に関西プレスクラブは2016107日、神戸港を巡るプレスツアーを行った。兵庫県在住で神戸を愛する作家の玉岡かおるさんをゲストに迎えて、会員ら約30人が参加。神戸港中突堤のターミナルにある会場で「港から世界に飛び出した先人たち~神戸開港150年にちなんで」のテーマによる玉岡さんの講演を聞いた後、参加者は玉岡さんとともに、早駒運輸の遊覧船「ファンタジー号」(152㌧)に乗船し、造船所など神戸港の要所を海上から見学するクルージングを行った。
 神戸港は1868(慶応3)年11日に開港した。講演で玉岡さんは、「ひと足早く1859(安政6)年に開港した横浜港の反省を踏まえて造られた」とし、税関が港湾施設と隣接して配置されるなど「横浜に比べコンパクトで使いやすくなっている」と説明。また、下水施設が充実しており、衛生面にも配慮した、最先端のインフラとして整備されたことも、当時の写真を示しながら解説した。
 クルージングでも、玉岡さんがガイド役となり、神戸製鋼所や川崎重工のドック、潜水艦を建造中の三菱重工の造船施設などの沖を通過するごとに、歴史的背景など詳細を語った。とくに神戸発祥の商社、鈴木商店が源流の神戸製鋼所について「黒船におののいていた人々が、わずか40年で欧米をしのぐ質の高い鉄をつくりあげた」とし、目先の利益より教育投資による人材育成を重視した鈴木商店の考え方が基礎にあることを強調した。
 参加者らは、ブリッジの窓越しに広がる神戸港の風景をながめながら、玉岡さんの興味深い話に耳を傾けていた。