「ザ・ラストクィーン」3月10日大阪初公演 主演の田月仙さんが記者会見

記者会見する田月仙さん

 日本の皇族から朝鮮王朝に嫁ぎ、今も「韓国の母(オモニ)」と慕われる李方子(り・まさこ、旧名・梨本宮方子)妃(1901~89年)の波乱の人生を描いたオペラ「ザ・ラストクィーン」の大阪初公演が2019年3月10日に行われる。公演を前に、主演の田月仙(チョン・ウォルソン)さんが1月10日、関西プレスクラブで記者会見を開いた。
 方子は夫の朝鮮王朝最後の皇太子・李垠(イ・ウン)と一時、大阪に住んだことがあり関西とも縁が深い。ノンフィクション作家でもある田さんは方子の足跡を追い続けており、「それぞれの国を背負った夫妻は、自分の気持ちをなかなか表に出されなかったが、研究するうち二人の様々な思いがうかがえた。魂の底から声を出さないと成り立たないオペラによって、その思いを伝えたい」と語った。
 同オペラは2015年に東京で初演、16年に再演され、好評を得た。関西での公演を要望する声も多く、方子妃没後30年の今年、実現した。夫の李垠は1940年から約1年間、陸軍留守第四師団長として大阪に駐在、二男の李玖(イ・グ)は大阪偕行社附属小学校(追手門学院小学校の前身)に通っていた。大阪公演では当時の偕行社の写真が舞台背景に使われ、大阪時代のエピソードが歌詞に盛り込まれるなど、地元で収集された史料や情報を取り入れ、「より実像に近いものとなった」(田さん)という。
 会場は偶然だが偕行社跡地に建つドーンセンターホール(大阪市中央区)。14時と17時開演(開場はそれぞれ30分前)。問い合わせ・申し込みはhttp://lastqueen.net ミュージック・アート・ステーション(06-6836-7067)