第26回なにわ大賞 最優秀賞は木彫前田工房

なにわ大賞の最優秀賞を受賞した前田暁彦さん

 

大阪らしいユニークな活動、いわゆる「大阪一のいちびり」をたたえる「第26回なにわ大賞」の公開選考会(選考委員長、橋爪節也・大阪大学名誉教授)と贈呈式が7月28日、大阪市阿倍野区のロクソドンタブラック(旧・OVALシアター)で開催された。

主催は大阪・千日前に事務局を置く「なにわ名物開発研究会」(野杁育郎会長)。自薦・他薦あわせて30組の候補から、最優秀賞に大阪・天神橋の株式会社木彫前田工房、優秀賞に大阪・難波千日前の一文字厨器株式会社、そして大阪公立大学の本多哲夫教授による中小企業をテーマとした学びの演劇企画が選ばれた。

天神橋でだんじり彫刻の技術継承へ

最優秀賞を受賞した木彫前田工房は、岸和田だんじり祭で培われてきただんじり彫刻の伝統技術を受け継ぐ工房である。彫刻師・前田暁彦さんは長年にわたり、岸和田を中心に全国のだんじり彫刻を手がけ、400台以上あるとされる山車の制作・修復をほぼ終えたことで、近い将来この伝統技術を活かす仕事が減少してしまうのではないかという強い危機感を抱いていた。

こうした状況を踏まえ、前田工房は技術継承の新たな道を切り開くため、拠点を泉州から天神橋へ移転。若い職人が働ける体制を整え、現在は神社仏閣彫刻、建築装飾、オーダーメイドの木彫作品など、だんじり以外の幅広い領域で伝統技術を応用した制作活動を展開している。

選考委員会は「大阪が誇るだんじり祭り、そのだんじりの彫刻の伝統技術を受け継ぎ、現代の感性で唯一無二の木彫作品を生み出す工房」と評価し、大阪らしさを高く評価した。受賞した前田暁彦さんは「いちびり続けたら賞が貰えるんだと感激しました」と喜びを語った。