南海トラフ巨大地震を想定 防災訓練「南海レスキュー」1月実施へ

南海トラフ巨大地震を想定 防災訓練「南海レスキュー」1月実施へ

陸上自衛隊中部方面隊(兵庫県伊丹市、遠藤充総監)は、南海トラフ巨大地震の発生を想定した大規模防災訓練「南海レスキュー」を令和8年(2026年)1月19日から25日にかけて実施する。

政府の想定によれば、南海トラフ地震では最大死者数が20万人を超える可能性があり、広域にわたる甚大な被害が予測されている。「南海レスキュー」は3年計画の2年目にあたり、実践的な対処能力の向上を目的としている。

今回の訓練には、自衛官約3500人のほか、東海・北陸・近畿・中四国の41自治体、通信・交通・電力・流通などの民間企業23社が参加する。中部方面総監部に指揮所を設置し、発災直後の初動対処、負傷者搬送、孤立地域への人員・物資輸送、インフラ復旧、生活支援など幅広い活動を展開する。

愛知県田原市では垂直離着陸機「V-22オスプレイ」による物資輸送訓練、広島県呉基地では輸送艦「ようこう」への車両搭載訓練が予定されている。

中部方面総監部の櫻井政友広報室長は「高知、徳島、和歌山、三重など太平洋沿岸部の自治体は津波被害への危機感を高めている」と述べ、自治体や民間企業と自衛隊が一体となり、広域的な連携体制を強化する重要性を強調した。

 

写真説明

大阪府南部の大和川付近で傷病者の輸送訓練を行う自衛官(2025年1月に実施した「南海レスキュー、陸上自衛隊中部方面総監部提供)

大阪府南部の大和川に浮橋をかけて行った輸送訓練(2025年1月に実施した「南海レスキュー、陸上自衛隊中部方面総監部提供)