大阪・関西万博でマイiPS細胞を披露したい

特別講演会 2019年2月1日
京都大学iPS細胞研究所長・教授
山中 伸弥やまなか しんや
「iPS細胞がひらく新しい医学」


 京都大学iPS細胞研究所長・教授の山中伸弥氏を講師に招いた新年特別講演会が2月1日開催され、会員ら約130人が参加した。山中氏はiPS細胞研究のきっかけから、最新の研究成果まで、専門外の参加者にも分かりやすく語った。
 山中氏は、がんや肝炎などの画期的な新薬が登場する一方で、高額な薬価が医療費を圧迫していると懸念を示し、研究者が低コストで最新の医療を提供する重要性を訴えた。大阪・関西万博招致の特使も務めた山中氏は、患者本人の細胞から作る安価な「マイiPS細胞」の開発を進め、「2025年の万博会場で披露したい」との目標を語った。
「マイiPS細胞」は移植の拒絶反応が起きにくいとされ、山中所長は「万博までにコストを100万円程度に抑え、短期間に提供できるようにしたい」としている。この目標実現のため、再生医療用のiPS細胞をあらかじめストックして研究機関に提供する公益法人を新設し、開発を加速させる考えもあらためて示した。
 また、国からiPS細胞研究所への研究費について、研究員の安定雇用が可能な「運営交付金」の割合が低く、有期雇用の研究員しか雇えない「競争的資金」の割合が高い現状を説明。山中氏自身が、大阪マラソンはじめ関西各地のマラソンや東京マラソンを、「山中伸弥」のゼッケンを付けて走り、研究費を集めている様子を紹介し、寄付などによるより一段の支援を呼びかけた。
 講演会の後に開催した茶話会には、山中氏に代わって、同研究所から国際広報室の加登英成さん、和田濱裕之さん、所長室基金グループの徳永愛子さんが参加、会員たちと意見を交換した。(木原 善隆)