「文化芸術立国」への戦略を表明  都倉文化庁長官 定例会で講演

第299回 2023年11月14日(火)
文化庁長官・作曲家
都倉 俊一とくら しゅんいち 氏
「文化芸術の未来へ向けた舵取り」

 文化庁長官で作曲家の都倉俊一氏=写真=が11月14日、大阪市内で開いた関西プレスクラブの定例会で講演し、これからの日本の文化芸術について「FBI戦略」で進めていきたいと述べた。
都倉氏は戦略の内容について、Fはmade from Japan で、「音楽や演劇など世界の才能を日本が舞台となって、世界に羽ばたかせる」、Bはmade by Japanese で、「海外の各国で日本人がかかわった文化芸術には、日本の国が援助する」、Iは、made in Japan で、「文字通り、日本の文化を世界に発信させていく」と説明した。
 戦略を担う機関として、「メディア芸術センター」の設立や、大使館など日本の在外公館に、伝統文化やエンターテインメントに詳しい専門官を配置するなどの考えを示した。
 また、世界に誇る日本の文化遺産と伝統文化を「宝として未来永劫、(後世に)届けていくことが文化政策の基本にある」とし、それを果たすためには資金が必要で、「産業化できる文化芸術で稼ぐことで、トータルとして日本は世界に冠たる文化芸術立国になる」と強調した。