自己責任として切り捨てることをみとめてしまうと、しんどい社会にしかならない

第269回 2019年11月13日
NPO法人西成チャイルド・ケア・センター代表
こども食堂ネットワーク関西代表
川辺 康子かわべ やすこ
「にしなり☆こども食堂の取り組みから~地域みんなで子育て・子育ち応援~」

 大阪市西成区で、ひとり親世帯や貧困など問題を抱える家庭を支援するボランティア活動を続け、関西でのこども食堂の草分けでもある川辺康子さんが、11月13日開催した定例昼食会で講演した。
 西成区の北西部の小学校地区では、ひとり親世帯が約4割、就学援助率が約7割、生活保護世帯が約3割を占めるなど困難な家庭が多いという。
川辺さんは自らの活動の経験から、「その人を自分の思い通りに変えようと思っても絶対に変わらない。一緒に考えながら自分も変わること」と支援のあり方について述べた。さらに、「心がないのが問題」とし、「自己責任として切り捨てる社会をみとめるとしんどいだけ。しんどい家庭に周りの人が少し声をかけるだけでも、(社会は)かわっていく」と訴えた。
また、2012年に「にしなり☆こども食堂」を開いたきっかけについて、「ひとり親世帯の子供たちに遊び場を提供する活動をしていた時、子供らが激しいけんかをしたり、言葉遣いが乱暴だったりするのは、お腹がすいていら立っているからだ思った」と、説明した。
 こども食堂の役割について、川辺さんは「地域の人と人とのつながりを作っていく場所。点だったこども一人ひとりが、そこで出会って線になり、線がたくさんできて家庭を支えることができるようになる」と語った。
こども食堂の活動は、19年には全国3700か所以上に広がり、線が面にとなっている。
 川辺さんが次に取り組んでいるのは「子供も親も駆け込める居場所」の建設。4階建ての建物の設計図はすでに出来上がっているが、用地の確保などはこれからだ。開設に向けサポーターを募集している。

 問い合わせは、特定非営利活動法人 西成チャイルド・ケア・センター(〒557-0022 大阪市西成区中開3-3-1ひらき住宅1-102、電話・FAX06-7709-5432)http://kodomo-silyokudou.jp


ゲスト略歴(講演時)=1966年大阪市西成区生まれ、西成育ち。2000年に子育てサークルからボランティア活動を開始。01年に「わが町にしなり子育てネット」の子育て支援員、07年に「西成識字よみかき・日本語教室」のコーディネーターに就くなど地域に根差した活動を続けてきた。10年「こどもの居場所」を開設、12年に「にしなり☆こども食堂」をスタートさせた。16年には「こども食堂ネットワーク関西」を立ち上げた。18年に特定非営利活動法人・西成チャイルド・ケア・センター代表に就任。
現在は「暮らし」が崩壊し、人とつながることが困難な孤立一歩手前の親子を支え、こどもを地域で育て、親の育ちもサポートすることを目指した、こどもシェアハウス「にしなり★つながりの家」建設プロジェクト(寄付活動)の推進に奮闘している。